【おすすめ漫画紹介】「ハッピーゴーラッキー」あとり硅子さん

漫画紹介

今回ご紹介するお話はあとり硅子さんの「ハッピーゴーラッキー」。

このサイトでは、あとり硅子さんの作品は別記事にて一覧で一度紹介しています(詳細はこちら)。

ただその後、あとり硅子さんの作品は1つ1つ、それぞれの記事で紹介していくことにし、今回は6作目となるあとりさん作品の紹介記事です。

今回ご紹介している「ハッピーゴーラッキー」はWINGS COMICS『夏待ち』に収録されています。

コメディタッチの男子高生の日常?が優しい絵柄で描かれています。高校生活が懐かしくなる、そんなお話です。

「ハッピーゴーラッキー」

今回ご紹介している「ハッピーゴーラッキー」の初出は「ウィングス」’94年 3月号です。

このお話はWINGS COMICS『夏待ち』に6作目として収録されています。

主人公は高校2年生の男子、4人。

メインの主人公は身長的に(かなり)恵まれている「頼近」くん。

そして、頼近くんの友人である梶くん、草野くん、土屋くんの3人と合わせ、4人を中心に物語は進みます。

(精神的にかなり)穏やかな頼近くんと、そんな頼近くんの保護者的存在の草野くん、そこに強気で絡む草野くんの関係は、あとり硅子さんの他作品「ドッペルゲンガー」の登場人物との関係によく似ています。

あとり硅子さんはこうした「超弱気な男子×保護者な男子×強気男子」という組み合わせがお好きだったのかもしれません。

「ドッペルゲンガー」の3人の関係性が好き

「ハッピーゴーラッキー」が収録されているコミックス『夏待ち』には本作以外に、次の作品も収録されています(※リンクがついているものには、詳細を書いた別記事があります)

夏待ち
seagreen
英雄
眠れない夜
月夜のチェリーボーイ
・四ツ谷渋谷入谷雑司ヶ谷

あとり硅子さんについての詳細は、Wikipediaでどうぞ。

壁に何かを求めるんじゃねえ!!

「ハッピーゴーラッキー」はあとり硅子さんの作品の定番?と言える「高校生」のお話です。

主人公は前述の通り、4人の男子高生。

4人の関係の真ん中にいるのは、身長187cmと(身長的には)かなり体格に恵まれている「頼近(よりちか)」くん。

ただ頼近くんは体格に見合わず、とっても繊細な心の持ち主で、極度の緊張しい。

そんな頼近くんの保護者的存在になっているのが、メガネ男子の梶くん。

そして頼近くんの体格を宝の持ち腐れだとぶつくさ言っているのが、自分の欲望に忠実な草野くん。

ドタバタしやすい3人の関係を客観的に見ている冷静な存在として土屋くんがいます。

朝礼のたびに「今回は倒れないぞ!」というプレッシャーにやられて貧血を起こし倒れてしまう頼近くん。

クラスメイトの反応は最早「またか」というほど恒例行事になっている頼近くんの貧血卒倒ですが、頼近くんはできればこの緊張しいな自分を変えようと(少なからず)努力をしています。

なかなか、その努力は実りませんが……。

遅々として進まない「頼近くん」の成長を温かく見守っているのは、梶くん。

頼近くんが何か頼りないことをしでかしてしまう度に、彼をフォローし元気づけています。

しかし!その梶くんに「お前がそんなに甘やかしているから!」と厳しく突っ込み、頼近くんに業を煮やしている草野くんはいつも不機嫌です。

そんな4人の日常に「球技大会」というイベントが!

草野くんは昨年の私怨で、隣りのクラスの「桜井くん」打倒を狙っています。

桜井くんが球技大会ではバレーで参加、ということで、草野くんはじめ4人はバレーに出場することに。

草野くん的には「頼近が活躍すればバレーでの勝利=桜井くん打倒」は事もない、と考えています。

でも、頼近くんは球技大会のことを考えただけで胃がキリキリして吐き気をもよおすほど。

ただ頼近くんも「緊張しないための秘策」は考えているようで……。

球技大会当日、これまでにないほどリラックスして楽し気にイベントに参加する頼近くん。

さあ、どうして頼近くんはそんなに「自然体」で球技大会に参加できたのでしょうか……?

その理由はちょっと予想外の仕込みがあったからで……。

ドタバタな顛末、つい笑ってしまう彼らのやり取り。ぜひあなたの目で確かめてくださいね。


持ちつ持たれつ

「お互い様」とか「持ちつ持たれつ」というのは友だち関係においてとても大切な感覚だと思います。

ただ、この感覚は一方だけ「お互い様」と思っていてはいけないのが、難しいところでもあるのですが。

一方だけが負担をしている関係は長続きしません。

家族はもちろん、友だちは「他人同士」だからなおさら。

でも、どちらかが一方的に心酔しているような友人関係は、結構片方だけに大きな負担が強いられていることもあるんですよね。

その「一方的さ」が今回ご紹介している「ハッピーゴーラッキー」には(ほぼ)ありません。

草野くんにそこここでかなりキツイことを言われている頼近くんですが、彼は彼で「倒れる・吐く(しかも人の服に)」ということを友人に向けてしでかしています。

そんな頼近くんの特徴を知りながら、それでも一緒にいる草野くんはそこそこ良い奴だと思うんですよね。

ついキツイ物言いをしてしまう草野くんと、その物言いにも負けず自分の特徴をさらけ出す頼近くん。いいコンビです。

頼近くんが社会に出た後も、草野くんとはなんだかんだ関係が続きそうな、そんな感じ。

これはきっと、彼らの中に「本当の50/50」が成り立っているからではないでしょうか。

くさのは どこまでいっても くさのだなぁ

出典:「夏待ち」著者:あとり硅子

コミックス版「夏待ち」あとり硅子さん

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