[おすすめ曲]suzumoku「ユーカリ」[認められる癒し]

音楽紹介

今、自分の立ち位置がわからない。

存在意義がわからない。

あなたがそんな思いを抱えているなら、
音楽を聴いてください。

そんな今のあなたが本当に望んでいるのは
心が跳ねるような楽しさ
ではなく
誰かに認めてもらいたい気持ちなはず。

ならば音楽を聴くべきです。

そしてその音楽とは
「楽しい曲」ではなく「泣かせる曲」でもなく
「存在を認めてくれる曲」

今回はそんな
「存在を認めてくれる曲」
をご紹介します。

suzumokuのユーカリを知っていると救われる

eucalyptus

今回紹介している
「ユーカリ」という曲には
次の一節があります。

読み終えた小説に
描かれた町が
あまりにも美しすぎて
目を上げるのも
怖かったんだ

「ユーカリ」
作詞・作曲:suzumoku

私がこの曲を知ったのは2007年。

右も左もわからない慣れない土地。

転職したばかりで、
まるで新幹線の車窓の外を
流れる景色のように飛んでいく毎日。

自分が疲れているのか、
楽しんでいるのか、
浮かれているのか
落ち込んでいるのか…
それすらわからない麻痺した時間。

その時間が、
彼のこの、
たった一節によって、
浄化されました。

「浄化」。

「ユーカリ」を聞いた時に
感じた気持ちは
もうまさにこの一言に尽きます。

言葉の1つ1つが「弱者」目線である

社会に揉まれて「大人になる自分」。

「麻痺を受け入れる」自分。

「そんなもんだ」と見ないふりをする自分。

でも本当は、
そんな自分ではありたくなくて、
ただただ美しい世界に居続けたい自分。

そうした自分が自分の中にいることを、
先述の一節が、はっきり自覚させてくれました。

またこの一節は、
現実を「怖い」と思ってもいいのだと、
私に教えてくれるものでもありました。

「現実の日々を怖がっている」
という感情を自分が抱いている。

それまで現実をいかに冷静に
受け入れていくかという轍の上を
歩いてきた私自身が
この事実を受け入れることは
とてもハードルの高いものでした。

でもきっと、だからこそ、
「現実の日々」というものに対して、
自分自身が本当は
「目を上げるのも怖かったんだ」
と思っていると、
そう気づかせてくれた時、
私は救われたのです。

曇り空の大阪「野音」で

新卒で社会人となってから数年後、
最初の勤務地から関西に引越した私は、
suzumokuさんの歌声を生で聴くチャンスを得ます。

大阪の野外音楽堂であったイベント。

あいにくその日は雨のぱらつく日でした。

入場前、
会場の外へ漏れてきたsuzumokuさんの声は、
その日の曇天を突くような、
快晴の飛行機雲のような爽やかな声だったこと、
今も忘れられません。

新曲は聴けないけれど

suzumokuさんはすでに
メジャーから身を引かれているので、
2020年現在、
彼の新曲を耳にする機会は現在私にはありません。

しかし、私は今も彼の曲を
折に触れて聴いています。

suzumokuによって紡がれる丁寧な糸

初期の楽曲と
後期にリリースされていた曲では、
色々な部分でちょっと変化もあります。

が、それでもやはり
彼の紡ぐ言葉には
丁寧さがあって、
強い言葉も繊細な言葉も
「適当に」紡がれた感じがしなくて、
とても心地よいのです。

見えないものを見る「目」

これはsuzumokuさんだけではなくて、
私が好きな他のアーティストさんにも感じることで、
できれば言葉を紡ぐ人に持っていて欲しいな、
と思う私のエゴですが…。

彼は
「見えないものを見つける目」

「手のひらからこぼれ落ちるものを掬う手」
を持ち合わせていると思っています。今も。

これは金子みすゞさんの編んでいく世界に
似ていると感じています。

普段人々が気づかないけれども、
確かに同じ世界に存在している命への
切ない優しさを感じます。

だからこそ、
私自身が濁流の中の日々で
こぼしてしまった感情が
掬われたのだろうと、
私はそう思っています。

最後には希望の光を

昔から漫画が大好きな私は、
今までにありとあらゆるジャンルの
漫画を読み漁ってきました。

でも結局現状ではまわりまわって、
やっぱり物語はハッピーエンドや
先に希望が見いだせるものがいいな、
と思っています。

近年は胸が悪くなるようなバッドエンドの作品も
増えていますが、
私の好みはやっぱりその世界から
「目を上げるのが 怖かったんだ」
というくらい、
美しい世界がそこにある物語が好きです。

今回最初に取り上げた
「ユーカリ」と言う曲も、
思うようにいかない
切ない日常の場面を切り取りつつ、
最後は光を感じられる終わり方になっています

新卒のあの頃、
現実逃避したかった私が、
そのまま現実逃避をすることなく、
やはり現実世界で踏ん張ろうと思い続けられたのも、
「ユーカリ」が光明を残して終わってくれたから
という部分も大きいと思っています。

では最後に、この「ユーカリ」の最後の一節を。

空回る日常に 紡いだ思いが
少しでも染み渡ればと 調べに乗せて
窓際のユーカリは 光を集めて
片付かない部屋の隅を
今もほのかに 照らしている
開けた明るい空を 見上げて
坂道を下る

「ユーカリ」
作詞・作曲:suzumoku

コンセント

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