[おすすめ曲]「美しい棘」GLIM SPANKY[少女たちへ]

音楽紹介

自分の道を歩んでいく少女へ。

かつてその道を歩いて大人になった女性へ。

さらには、娘のいる母へ。

今回ご紹介するGLIM SPANKYの「美しい棘」は女性と自律・自立を考えるにあたり、とても励まされる曲と思います。

「美しい棘」の基本情報

「美しい棘」は『I STAND ALONE』の4曲目に収録されています。

『I STAND ALONE』は2017年4月にリリースされたミニアルバム。

GLIM SPANKYにとっては通算4枚目のミニアルバムで、Virgin Music (Universal Music)に移ってからは3枚目となるミニアルバムでした。

アルバムのタイトルにも「I STAND ALONE」とあるように、アルバム全体にわたって「自分の足で立つこと」を強く感じられます。

I STAND ALONE(通常盤)/CD

手を離すこと、手を離していくこと

GLIM SPANKY – 「美しい棘」

「美しい棘」。曲のタイトルは「うつくしい いばら」と読みます。

「棘」は「とげ」ではなく「いばら」と読まれています。

幻想的なMVとは対照的に、歌詞は非常に独立心が高く、またボーカルである松尾レミさんの声はロックなハスキーボイス。

映像と歌詞・ボーカル、そして音。このコントラストが何ともクセになります。

手を離すこと

保護者から離れ、自立をしていく道で傷ついたり、立ち上がったりすることに性差はないと思っています。

それでも、現代の日本において女性が自分の足で立ち、自分の人生を「本当の意味で」全うするにはなかなか苦難も多くあります。

ただ、女性は強くて、いつまでも「保護者に守られたい」って思っているわけではありません。

棘に刺さりながら 少女は今
深い傷を増やして喜びを知っていく
今までとなりに居たあなたから手を離せば最後
もう知らぬ人

出典「美しい棘」/作詞 松尾レミ 作曲 松尾レミ

むしろ「いつまでも守られたいと思っていないでほしい」と、娘をもつ私は思っています。

娘には、いつまでも守られる立場に甘んじるのではなく、自分で自分を守り、そして大切な何かができたら、その大切な何かを守れる強さを獲得して欲しいと、私は心から願っています。

少女たちが保護者の手を離し、振り返らずに自分の足で軽やかに自分の人生を歩いていく、その後姿を見たいと、私は保護者として強く思っています。

若さがいつか消える事解ってる
言われなくとも私たち馬鹿じゃない
だけど血を流しても噛み締められないのは
ああ憎いもんだわ 本当知りたいだけなのに

出典「美しい棘」/作詞 松尾レミ 作曲 松尾レミ

少女だった女の子は、いつしか保護者の手を離れ自分の道を歩き始めます。

傷つきながら、痛みを知りながら、したかかでしなやかな、真実の強さを彼女たちが得られることを願ってやみません。

手を離していくこと

自分自身が保護者の手を離しても大丈夫だと(勝手に)そう思ったのはいつからだったろう、と「美しい棘」を聞いてよく考えました。

私は自分のことくらい、自分で考えられる。自分の人生は自分で責任がもてる。

こんなことはとても若い頃から思っていた気がするけれど、本当に自分が自立・自律できたのは、結局自分が家庭を持ってからかもしれません。

また、私はとても未熟な人間なので、子ども達に鍛えられることで、やっと「真の意味での自律」を叶えた気がします。

ただ本当の「自律」って、誰にも頼らない、ということではなくて、自分ができないこと・難しいこと・しんどいこと、についてしっかりと自覚し適切なヘルプを出せることだとも思っています。

自分の弱さを正確に認識し、無理をし過ぎずに「一番ダメージが少ない方法」を選び取れることも、自立には非常に大切なこと。

ありがとうと助けてが正直に言えるようになってやっと、本当の自律が叶ったように感じています。

保護者の手を離した少女はその先、棘に刺さりながら先の道を歩むわけですが、その痛みを包括出来た時、保護者にとって娘は自分の知らない「輝かしい一人の女性」になっていると、私はそう思っています。

今までとなりに居たあなたから手を離せば最後
そう魔法の様で
ふと気付けば最後 もう知らぬ人

出典「美しい棘」/作詞 松尾レミ 作曲 松尾レミ

歌詞の詳細はこちらからどうぞ


まとめ

今回はGLIM SPANKYの「美しい棘」と「自律」「自立」を考えてみました。

松尾レミさんの歌声は繊細なハスキーですが、クラシックロックにぴったりの力強さもあって、ロック好きにはおすすめ。

「美しい棘」は普段ロックを聴かない人にも「人生を考える一曲」としておすすめです。

「美しい棘」/Amazon mp3

コメント

タイトルとURLをコピーしました