詩に触れておくことが、あなたの心を救ってくれること、必ずあります。
心の窮地で、思い出すのは、心に刻まれた数々の言葉、という瞬間が必ずあります。
今回は「私たちは幸せでいて良いのだ」と心から思える詩をご紹介します。
今回ご紹介するのは「美しい国」。永瀬清子さんの詩です。
今は、有事だ
2020年の世界は、間違いなく、世界規模での「有事」が起こった1年でした。
新型コロナウイルスによって、私たちはこれまでの価値感やライフスタイル、人を信じる心までも、失いました。
見えないウイルスに恐れ、罹患した人を吊るし上げる光景が、報道が、日々怒涛の勢いであふれかえりました。
マスクをすることは当たり前になってきていますが、これって本当に心から予防や感染拡大のためって言える人は、どのくらいいるのでしょうか?
私は少なくとも100%、そうだ、とは言えません。
「していないと、何を言われるかされるかわからない、この社会と人々が怖い」
こうした気持ちが、少なからず心の中にあります。
突然、自分の力ではどうにもならないことに日常がひっくり返される、これはまさに有事でした。
私は今年、この体験をしたおかげでやっと、ずっと祖父母世代に言われてきた「戦争の怖さ」を身をもって知りました。
でも、今回の有事は、本当の戦争ではありません。
今こそ、私たちの「理性」と「培ってきた知識」と「良心」が試されているのではないでしょうか。
その「理性」と「知識」、「良心」を奮い起こしてくれるのが、今回ご紹介する「美しい国」なのです。
心のうちにきらめく星空をもちましょう「美しい国」より
「美しい国」の第一連にはこう綴ってあります
はばかることなくよい思念(おもい)を
私らは語ってよいのですって。
美しいものを美しいと
私らはほめてよいのですって。
失ったものへの悲しみを
心のままに涙ながしてよいのですって。出典『だましてください 言葉やさしく』永瀬清子
この第一連の中に、今まさに私たちが見失っている「心」が全て詰め込まれている、私はそう感じます。
美味しいものを美味しいと感じるとか。
楽しいことを楽しいと感じるとか。
素直な気持ちを素直に表現することを、この1年、私たちは制限し続けてきている気がします。
何を言っても「こんな時に」と糾弾されそうな雰囲気が、世間に蔓延っています。
でも、それは違うと、私たちは声を上げてよいはずです。
私たちは、幸せに、えがおで、日々を生きてよいのです。
今だからこそ、たくさんの人に、この詩が広まることを、本当に、心から願っています。
夕ぐれて星が一つずつみつかるように
感謝と云う言葉さえ
今やっとみつけました出典『だましてください 言葉やさしく』永瀬清子
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