クロスフェード紹介。
今回は「死神」と「昭和元禄落語心中」。
「死神」米津玄師さん
米津玄師さんの楽曲の中に「死神」という曲があります。
『Pale Blue』の中、3曲目に収録されている曲です。
落語の「死神」をモチーフにしてある曲で、曲中にも「アジャラカモクレンテケレッツのパー」が登場します。
しっかり、手拍子も2回。
この楽曲を聴いた時、まず思い浮かべたのはやはり『昭和元禄落語心中』でした。
七代目八雲が亡くなり、次代を担うと目されている「菊比古」は七代目のお葬式の翌日に高座にあがります。
そこで底を打つような静けさの中で演じたのが「死神」。
恍惚とした表情で倒れこむ菊比古の姿は圧巻の一言。
「昭和元禄落語心中」雲田はるこさん
落語を柱に「八雲と助六」、「与太郎」、そして「小夏」を巡りながら物語は進みます。
今にも消えんとする「落語の灯」はその話を演じられる人と一緒に心中すべきか、それとも形を変えて繋がれるべきか。
「人」に依拠する芸だからこそ、その人がいなくなればその芸も消えるのか。
「人の生活」に根ざした風をはらむ話芸だからこそ、時代と共に消えるのが良いのか。
それとも……。
助六と菊比古に絡んだ糸が、八雲に絡む複雑な糸が、与太郎と小夏、そしてその次の世代へと綿々と織りなされていく様はとても愛おしく美しいです。
死神を聴きながら、ぜひ「昭和元禄落語心中」の深淵へと足を踏み込んでみてください。
アジャラモクレンテゲレッツノパ
パッパッ!
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