生きているものは皆「最後にどんな夢を見たか」誰かと共有できません。
なぜなら、最後の眠りはもう目覚めることのない眠りだから。
生きてきた道がどんなものだったとしても、最後の夢は、素敵なものだといいな、と個人的には思っています。
こんな「最後の夢」について考えさせてくれるきっかけになったのが今回ご紹介する、中島みゆきさんの「最後の女神」です。
「最後の女神」の基本情報
「最後の女神」は1993年12月に、中島みゆきさんの楽曲のなかでも特に有名な「時代」のリメイク版『時代-Time goes around-』のカップリングの形でリリースされてました(両A面ですが)。
アルバムでは1994年にリリースされた『Singles II』や、1996年にリリースされた『大吟醸』に収録されています。
どちらのアルバムも、本当に名曲ぞろいで浸れます……。
最後に見る夢、その目線の先は
今回「最後の女神」の動画探しましたが、公式の動画はなかったので「最後の女神」が収録されている『大吟醸』のトレーラー動画をご紹介。
このトレーラーにも「最後の女神」は出ていないのですが、トレーラーでご紹介されているどの曲も名曲(;_;)
やばい、トレーラー聴いているだけでも泣ける。
今回は「最後の女神」のご紹介ですが、まだ中島みゆきさんの曲をたくさん聴いたことがない人は、ぜひぜひ、色々と聴いてみてください(推)!
後悔しない生き方を思い出す
「最後の女神」の歌いだしは次の言葉で始まります。
いちばん最後に見た夢だけを
人は覚えているのだろう
幼い日に見た夢を 思い出してみないか出典「最後の女神」/作詞・作曲 中島みゆき
「最後の夢」、この言葉に当時中学生だった私は衝撃を受けました。
「最後の夢」なんて考えてみたこともないものだったからです。
「人間が見る最後の夢、最後ってことは、もう、起きない時に見る夢。この世を去る時に見る夢?」
この曲を知って、自分が最後に見る夢ってどんな夢なんだろう?と考えるようになりました。
そして、せめて、最後の夢は楽しかったり、心が温かくなるような、そんな夢を見たいなと思いました。
なかなかハードな家庭環境で生きていた子どもの頃、最後に見る夢すら何だかしんどいのはヤダなあと思ったのを覚えています。
あぁ あれは壊れたオモチャ
いつもいつも好きだったのに
僕には直せなかった
夢の中で今も泣いてる
言葉にならないSOSの波
受けとめてくれる人がいるだろうか出典「最後の女神」/作詞・作曲 中島みゆき
この部分の歌詞で当時の私は
「ああ、最後の夢を見る時、思い残すことがあっても、もう取り返しがつかないんだな」
そう思いました。だから、自分の最後の夢を、少しでも楽しいものにするには「後悔がないように生きなきゃいけないんだ」と。
人生、全く後悔しないように生きるのは難しいでしょう。
それでも、曲との出会いだったり、人との出逢い・別れだったりで、人間ってきっと「ああ、後悔しないように生きなきゃ」と思う瞬間ってありますよね。
ただ、それはその瞬間「思っても忘れてしまう」んです。
この曲はそうして日々忘れてしまう「後悔しない生き方をすること」を思い出させてくれます。
最後の女神は微笑んでいるか
この曲のタイトルにあるように、歌詞にも「最後の女神」という言葉はたくさん登場します。
あぁ あれは最後の女神
まぎれもなく君を待っている
あぁ たとえ最後のロケットが
君を残し 地球を捨てても出典「最後の女神」/作詞・作曲 中島みゆき
この「最後の女神」って言葉は、私にとってはかなり「救いの存在」です。
誰に見捨てられても、何があっても、自分が最後の夢を見た時、そこには「最後の女神」が必ず待っていてくれる。
そう思うだけで、自分が諦めかけていたこと、これでいいの?と迷っていたことに対して一歩を踏み出す勇気がもらえました。
どんなに失敗することがあっても、最後の女神は私を見捨てず、最後に私が目を閉じた時、そこにいてくれるんだ。
毎日積極的に姿を見せているわけではないけれど、ここぞという時に、フットライトのように私を照らしてくれる光。
それが「最後の女神」です。
最後の眠りについた時、そこで待っていてくれた「最後の女神」が微笑んでいてくれるよう、彼女に支えられて私は今日も自分の人生を前進できている気がします。
まとめ
今回は日本を代表するといっても過言ではないシンガーソングライター、中島みゆきさんの数多ある名曲の中から「最後の女神」をご紹介しました。
あまりメディアで大々的に取り上げられることは少ない曲ですが、本当に名曲です。
この曲があなたの人生の応援歌として加わるといいな、と思いつつ。
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