【家庭訪問】そこはかとなく書き綴ってみた

GWも最終日、お子さんがいる家庭ではGW前に担任教員による家庭訪問が終わった!という家庭も多いのではないかと思います。

かくいう私も、娘が新1年生なので、小学校の先生による家庭訪問は今回が初

いやぁ~……私も初家庭訪問には何だかんだ色々気を遣った1人であります。

というわけで今回は、小学校教員経験をもちつつ、今はフリーライターをしている筆者から見て感じた“現代家庭訪問事情(見える範囲で)”をお伝えしていきたいと思います。


家庭訪問ってそもそも何?

一般的に言う「家庭訪問」は、多くの小中学校・幼稚園・保育園・こども園などで4月~6月頃に行われる、教員による家庭への個別訪問&懇談ですよね。

まぁこれは改めて言わなくても皆さん自分が子どもの頃の経験があるからきっとおわかりのはず。

何だか慣例化して続いている家庭訪問ですが、教員の働き方改革とかも色々と通知がくる昨今で、この家庭訪問ってどんな立ち位置で続いている行事なのか、何だか気になります……|’_’`)

家庭訪問の歴史的な話

色々と調べてみましたが、家庭訪問はどうも日本くらいの習慣みたいですね。

Wikipediaには17~18世紀にスウェーデンで牧師さんが農家を訪ねていたというような記述がありましたが、これが現代日本の教育現場で行われている家庭訪問に関わっているとは思えません。

じゃあ一体、日本で当然のように行われている家庭訪問は、どんな由来でいつから続いているんだ!とかなり疑問が……。

自分自身の浅い考えで思ったのは、現在の教育制度が始まった戦後から?でしたが、調べていくと地域のよっては明治期から家庭訪問を行っていたところもあるとのこと。

全国的に家庭訪問が広がったのは昭和に入って(それでも戦前らしいです)で、各都市・各地域によって始まった時期はバラバラというのが実際ですね。

多分(これは本当に憶測ですが)、明治期の家庭訪問は(家の事情で)学校に通えない子の家庭にいって、親と直接話すことで就学率をアップさせてたんじゃないかと。

もちろん子どものためでもありますが。

大正・昭和になると、日本での学校教育も形になってきて、色々と試行錯誤しながら子どもと学校・家庭・地域を繋ぐために家庭訪問をしていたんじゃないかと思います。

現代よりも昔の先生の方が家庭や勤務している小学校への関わり感や立ち入り感が大きかったでしょうしね。

先生が子どもだけでなく、保護者に対しても教育的な方向性を導いていたところは大きいのではないかと思います。

まぁこれは教員が本当に聖職とされていて、教員の方もその職業に対しての倫理意識や規範意識が高かった頃の話でしょうが……。

家庭訪問は義務なの??

源流からいえば明治期から粛々と続いている家庭訪問という学校行事。

ここまで続くからには結局のところこの行事はmustな行事として義務化されていたりするんでしょうか?

結論から言えば(現状は)NOです。

基本的に家庭訪問は教育基本法などに実施することと明記されているわけでもなく、法的な義務はなさそうです。

ただ、文部科学省のサイトでは以下のような文章が掲げられていました。

5: 家庭訪問などによって、児童生徒の家庭や地域での生活実態と生活実感を把握しておくこと(なお、その際はプライバシー等に配慮することが必要である)。
引用元:文部科学省:教育:集中高校教育に関わる事関連

これは「家庭や地域社会の協力等を得るための意識的な取組」というものの中で書かれている文章ですが法的拘束力はもちろんありません。

校長裁量で家庭訪問ってやってもやらなくても選べるのでは?と思ったり。

どうなんですかね。

目的は?何を見られているの?

家庭訪問について調べていると、多くのサイトで家庭訪問にはこんな目的がありますというようなことが記されています。

そうした情報をまとめると、次のような項目を先生たちは家庭訪問で見ていたり目的にしていると言えそうです。

1)家庭環境:例えば非常に忘れ物をしやすい子のお家に行って、家がとっても散らかっていたら、子どもが忘れ物をする原因は子ども自身にあるだけでなく、家庭環境にもあると想像できます。

2)通学路:通学路を実際に通ることで、子どもだけでは気づかない危険な場所・物などを把握する。

3)保護者と直接話すことで顔見知りになる:家庭という保護者側のホームグラウンドで話すことで、学校では言いにくい話を聞けたり、素直な不安や質問を受けることができる。

私は自身も小学校教員として勤めていた経験があるので、確かに上記のような項目は「まぁね、確かにね」と思います。

でも、玄関先だけで10分も話すことなく、矢継ぎ早にお話を聞いて次のお宅へ急ぐ先生方と見ていると、上のような項目をチェックする目的って本当にもっているのかな?とも思えます。

保護者と顔見知り……ということであれば、学校の個人懇談でもいいし、通学路の確認といっても車で訪問する先生に子ども目線の通学路チェックができるとは到底思えません

唯一、家庭環境の把握というのだけは、本当にそこに行かなければわからないことなので、やる意味があるかもと思えますが、これは何か気になることがある子に対して有効な場合の方が多そうです。

だったら先生が気になる子のお宅にちゃんと訪問することで、たった10分よりももっときちんと時間を取って話ができるんじゃないかと思うんですよね……。

現代の家庭訪問制度に思うこと

ここ数年、娘が通っていた幼稚園や現在通っている小学校で、学期ごとに「教員の働き方改革へのご理解をお願いします」的なプリントが配布されています。

公務員であり、残業しても残業代のつかない教員という仕事は本当にハードで、一生懸命子どもの成長に関わってくださっている教職員の方々には頭が下がる思いでいます。

でも、だからこそ、今一度「家庭訪問」という行事について、本当に子どもの成長に必要な方法になっているか考え直した方がいいんじゃないかと思います。

これって必要?

今回、娘が小学校に入学して初めての家庭訪問を経験してみて、私は「これって本当に各家庭全てに必要なことなんだろうか?」と思いました。

幼稚園でも家庭訪問があるのですが、今回の小学校の家庭訪問も、幼稚園での家庭訪問も、子どもは先生が自宅に来てくれることを喜んでいました。

まぁ非日常のイベントっぽさは強いですからね。

でも、私自身は現在、娘の学校生活にも日常生活にも大きな不安や困難を抱いていないので、入学して1ヵ月弱でまだきっと娘のこともよく把握されていない先生と何を話せばいいかわかりませんでした。

小学校での様子についても、まだ始まって1ヵ月、先生だって全ての子どもを把握しているはずはないので、こちらが何かをお尋ねしたところで無難な答えしか返ってきません

娘には斜視の治療経過でお伝えすることがあったので、その点はお伝えしましたし、このことで注意が必要な部分もお伝えすることができました。

けれどこれってわざわざ先生が多忙な業務の間を縫ってまで「自宅に来てもらって」しなきゃいけない話には思えなかったんですよね……。

もし先生が「全員に」家庭訪問をする必要がなくなれば、その分、先生は本来の教育に関係する業務を深められたんじゃないのかと思うと、何だか複雑な気持ちです。

私はどんな仕事であっても、健やかで心身が壊されない働き方というのはとても大事だと考えています。

ですから教員の働き方改革も必要な部分はどんどん実施していけば良いと思っています。

しかし、学校側が保護者に色々な部分で理解を求める割に、保護者が学校に対して理解を求めることについてはかなり冷淡というか、取り合ってもらえませんよね。

もちろん個人個人の要望全てを学校側がかなえられるとは思っていません。

それでも、どうしても家庭訪問をしなければいけない理由がないなら、仕事が休めない保護者も気軽に懇談できるように、スカイプやらなんやら、現代はやりようがいくつもあると思うのですが、どうなのでしょうか。

子どもとしっかり関わるために、子どもの休日に合わせて土日のお休みがとれるようにしている家庭で、平日にたった10分のために休みを取る必要ってあるんでしょうかね……。

このために子どもと長く関われるはずの土日のお休みが1日なくなったら、色々本末転倒な気もするんですが……。

学校にはもっと色々と、保護者だけじゃなく学校自身も組織とか体制とかで見直すべき点があると感じた、初家庭訪問なのでした。


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