詩に触れておくことが、あなたの心を救ってくれること、必ずあります。
心の窮地で、思い出すのは、心に刻まれた数々の言葉、という瞬間が必ずあります。
今回は「存在そのものが尊い」と心から思える詩をご紹介します。
今回ご紹介するのは「ぼくが ここに」。まど・みちおさんの詩です。
「ぼくが ここに」まど・みちおさん
自分の所在が、自分ですらわからなくなった時、この詩「ぼくが ここに」は強く、あなたに「存在する意味」を教えてくれるはずです。
ただ、いるだけでいいんです。
ただ、生きているだけでいいんです。
あなたがそこにいること、そのことを、人間の誰もが認めてくれていない気がしても、この星は、認めているんです。
それだけで、誰の許可も認知もいらないんです。
あなたはこの星に認めていられているからこそ、今、その場にいるんです。
これが、今回お伝えしたい全てです。
ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない出典:『ぼくが ここに』まど・みちお
あなたにぴったりの場所がそこじゃなくても
あなたの存在が万が一、今あなたがいるその周りの人や、あなたの暮らす地域、場所に認められていないと感じていても、それはあなたが悪いわけではありません。
熱帯の植物と高山植物を同じ環境で、どちらもが美しい花を咲かせるように育てることはできません。
あなたが高山植物で、周囲が熱帯なら、あなたがその場に存在しにくいと思うのは当たり前で、だからといってあなたが悪いわけではありませんよね。
あなたはあなたにぴったりの高山にいけば、心地よく呼吸し、のびのびと生きていけるんです。
だから、どうか、あなたの存在を「その場」で否定しないでください。
生きるために逃げることは大事
先ほどは植物の例を出しましたが、野生のシマウマは、狩りをしているライオンに遭遇すれば、すかさず逃げます。
生きるために逃げることは大切なことなのです。
ただ、ここで気を付けなければいけないのは、シマウマは「その場からは退却しても生きることを止めることはない」ということです。
シマウマが、ライオンがいるエリアだけを自分の世界と思い込んで、悲観して自死することはありません。
人間だって、その場にいることが生死の問題になるならすっぱり逃げればいいんです。
ただ生きることからは逃げないことが大事です。
その環境が自分にとって生死の問題をもたらす場所であっても、他の場所なら生きられるんじゃないか、としっかり探すことは大事。
そしてその時忘れないで欲しいのは、どこにいても、あなたがいる場所には他の誰も重なることはできず、あなたがいるということは、地球から守られているということです。
ああ このちきゅうの うえでは
こんなに だいじに
まもられているのだ
どんなものが どんなところに
いるときにもその「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として出典:『ぼくが ここに』まど・みちお
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