「家族がしんどい」
20年間、ずっと抱えてきた「家族へのしんどさ」を私は今、日常的には解消しています。
振り返れば、私が育った家庭は「機能不全家族 予備軍」でした。
「錬金かぞく」シリーズでは、私が生まれ育った家族が家族総出で負の連鎖から抜け出したその方法を、漫画で少しずつお伝えしていきます。
この記事では次の2つの手順をお伝えします。
・現状の理解による次の対応への一歩を踏み出そうと思う
これらを得られるようにしています。
どうかこの記事が、あなたの人生を好転させるきっかけになりますように。
日本の家族80%が機能不全家族?
国連児童基金(ユニセフ)の発表では、日本の子どもの精神的な幸福度は先進・新興国38カ国に住む子どもの中で37位と最低レベルだったそうです。
ただ日本の子ども達は「身体的健康」では1位で、経済的にも比較的恵まれていました。
この報道に接して、私は「まるで日本自体が機能不全家族みたい」と感じました。
なぜなら私が育った家庭がまさにそうで「身体的健康」と「経済的環境」は問題なくとも「精神的幸福度」が充足している家庭ではなかったから。
1999年に発行された『機能不全家族―「親」になりきれない親たち』はサイコセラピストの西尾和美さんによる著書があります。
そこには、日本における機能不全家族はなんと全体の80%にものぼるということです。
こうなってくると、自分自身が抱えている「生きづらさ」や「家族に対するしんどさ」は、よもや自分のせいではなく何かしら家庭にその原因が求められるように思いませんか?
それでは「機能不全家族」とは何かを、次で具体的に見ていきましょう。
機能不全家族4つのチェックポイント
機能不全家族に関するチェックポイントはサイトによってその多さが異なります。
ここでは、自分自身の経験も踏まえ「このポイントがチェックされたらそれは機能不全でしょ」と言えるポイントを絞りました。
それが次の4つです。
・家庭内で安心感を得ることができない
・存在を否定される
・過度の期待を寄せられる
ではこの4つを詳しく見ていきましょう。
生理的な欲求を満たせない
これは食事や睡眠、子どもにとってのスキンシップなど、生きる上で最低限必要な欲求を満たせない、ということです。
私自身は食事や睡眠など、生命を維持するものについては不足していませんでしたが、親への正常な愛情表現はできていませんでした。
これは4つ目の「過度な期待」に関係している部分だと思います。
そしてこれは大前提ですが、身体的・精神的・性的、いずれであっても「虐待」がある場合は、それは一発アウトで「機能不全家族」です。
親から子どもへはもちろん、配偶者間の虐待、老人への虐待、どんな場合でも家庭内で虐待が発生しているなら、それは紛れもない「機能不全家族」なので、いち早く第三者に助けを求めましょう。
家庭内で安心感を得ることができない
機能不全家族においては、特に「子ども」が「子ども」としてのびのび過ごすことができません。
また、子どもが常に大人に緊張感を持っているため、家庭内で安心感を得ることが難しくなります。
私自身は、父親が(特に怒りの場面で)感情的になるとひどい暴言が飛び交う家だったので父親に対して緊張感をもつことが多かったですね。
ただ、そんな父の暴言や態度を嫌悪する母も、うまく怒りや甘えを表現できない人だったので、母に対しても緊張感を持っていました。
さらに、我が家は「店舗兼住宅」という家だったため、常に「お客さんが来るかも」という状況も、家庭において安心感を得るのが難しい条件になっていました。
存在を否定される
「お前なんか生まなければ……」というのは存在否定の言葉としてとても直接的でわかりやすいものです。
だからこの言葉を親から差し向けられれば、自分の存在は否定されたと認識しやすくなります。
ただ、存在を否定される言葉というのは実はわかりやすいものばかりではありません。
親自身が
「ここから逃げたい」
「死にたい」
「伴侶と別れたい」
「好きで一緒にいるわけじゃない」
という自分自身の存在を否定したり、結婚を後悔するような言葉を発していたら、これも子どもの存在を否定するものになります。
子どもにとって親は「源流」なので、その源流が自分自身を否定する=子ども自身も否定される、ということですから。
だから「私自身は親にひどい言葉は向けられていない」という人でも、親が親自身を傷つける言葉を遣っていて、それを子どもが聞いていたら、それは十分「存在の否定」になります。
私自身は両親から「生まなきゃ良かった」というような直接的な言葉は言われていません。
しかし母はよく父の愚痴を子ども達に話していましたし「離婚する!」というような発言も多々ありました。
子どもにとって親のその発言ほど「自分自身を否定される」ものはないと、今は感じています。
過度の期待を寄せられる
親が子どもに期待を寄せるのはある意味、正常なことなのかもしれません。
「素敵な人生を、幸せに歩んでほしい」
子どもに対してこのように願うのは親であれば誰しもなのではないのでしょうか。
しかしその期待が子どもの人生を子ども自身で選ぶことを妨げているなら、それは機能不全に繋がっていきます。
叶えたい夢は、親自身が叶えるものであって、子どもに投影することではありません。
また親(大人)にとって都合の良い子でいることを子どもに期待するのも健全ではないのです。
私自身は親というより家庭にとって良い子であることを暗に求められ、それに応えなければという緊張感を常に抱いていました。
「家事をすること」「家(お店)の手伝いをすること」「聞き分けが良いこと」「勉強ができること」
私は上記のことについて、結局「できてしまった」のでさらに私自身を苦しめることになりました。
「できるからこそつらく、抜け出せない」
できないから否定されるのと同じように、この「できるからこそ、抜け出せない」のもまた、とてもしんどいものです。
余談ですが……
私は現在、子どもをネタにしてSNSで家庭の事情を描いている人の、その子どもたちについて不安があります。
彼らは果たして、親に「いやだ」と言えるのか?親は「これで稼いでいる」と言って子ども達を暗に支配していないか?と。
自分自身、機能不全手前のような家で育ったゆえに、親の子どもに対する権利蹂躙のようなことに、とてもとても、心配が募ります。
漫画 錬金かぞく「うちって機能不全家族だったの?」
錬金かぞく。
これは「機能不全家族」に片足突っ込んでいた(いや、もしかしたらもうなってたかも)私の育った家族が、どうやってその「負の連鎖」から抜け出したのかをゆるっと描いていく漫画です。
なぜ「錬金」なのか。
それは、私の生まれ育った家族が、両親も子ども達も、家族の誰もが傷つきながら「錬金」するように家族を作っていったから。
でも、その道筋は、簡単ではありませんでした。
第1話は「家に飛び交う言葉」編
機能不全家族に対しては「客観的視点」をもつことがすごく大事。
私に「機能不全家族」と立ち向かうきっかけをくれた本はこちら。
毒になる親 一生苦しむ子供
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